ソフトバンク松中信彦外野手(36)の開幕2軍が決定的となった。16日、開幕メンバーの絞り込みが行われ、松中はルーキーイヤーの97年以来、13年ぶりとなる開幕2軍スタートとなった。昨秋に右ひざを手術。走塁面では順調に回復していたが、打撃面で実戦での調整不足が明らかで、今後は2軍で打席を重ねて復調を図る方針が固まった。

 ソフトバンクの開幕メンバーから主砲松中が外れた。この日、四国・九州ILとの練習試合後、メンバー絞り込みが行われた。野手16人体制で臨むことが決められ、外野手は6選手に絞られた。長谷川、多村、オーティズ、村松、柴原、城所の開幕1軍決定と同時に、松中の13年ぶりの開幕2軍の決断が下された。まだ登録締め切りを迎えておらず、秋山監督は帰り際「明日になれば分かる」と話しただけだが、最大の要因は打撃の調子が上がってこないことだった。

 松中は昨秋に右ひざを手術。2月キャンプは完全別メニューで過ごし、今月6日の巨人とのオープン戦で試合に初出場。オープン戦は7試合出場し、18打数2安打。2四球をあわせ、20打席しか立っておらず、実戦での調整不足は明らかだ。この日も四国・九州IL選抜との練習試合で3打数無安打に終わり、2打席目には変化球にタイミングが合わず、空振り三振を喫していた。

 もともと、開幕メンバー入りした場合、代打起用が有力だった。だが、方針変更の裏には、松中の打撃の調子をできるだけ早く上げようとの首脳陣の意図もある。この日、秋山監督は松中の現状について「打撃の(試合での)感覚がまだ上がってきてない。キレのいい変化球の対応とか。(打席の)絶対数が足りていない」と説明。今後について「代打だと生きた球が見られない?

 そういうのもある。打席に立たないと感覚をあげていくことはできない」と語っていた。2軍で打席を重ねることが、結果的に最短の調整法と踏んだと見られる。

 走塁面については急に止まる動きに不安は残るが、ベースを回る動作やスライディングには支障ないことが確認されていた。開幕を4番スタメン出場で迎えることを目指してきた松中にとっては厳しい決断とも言えるが、主砲は前を向いた。「明日、明後日はこっち(福岡ヤフードーム)で打つ。その後?

 それは首脳陣が決めること。今日は今日、明日は明日でやるしかない。今はその日できる中で精いっぱいやっている」と話して球場を後にした。

 松中が03年以降記録していた開幕4番出場も、7年連続で途切れることになった。だが、背番号3は、完全復活して戻ってくるはずだ。

 [2010年3月17日11時22分

 紙面から]ソーシャルブックマーク