中日落合博満監督(56)が「井端再生」に乗り出した。5月31日、オリックス戦に備えたスカイマークでの全体練習、フリー打撃を終えた井端弘和内野手(35)が再びバットを持ってティー打撃へ向かった。すると指揮官が歩み寄り、自らトスを上げ始めた。好不調の波が少ない井端へ異例の個別指導だった。

 さらに2度目のフリー打撃では打撃ケージの1つを独占して打ち込んだ。落合監督は一心不乱にバットを振る井端の後方から、側面から、フォームをチェック。「上(半身)を何とかしようとしているみたいだけど、問題なのは下(半身)なんだぞ!」。太陽が徐々に沈んでいく中、延々と打撃指導は続いた。

 「ここ何日かは全然、打撃に納得がいっていなかった。少しはつかめたかな…」。計1時間、バットを振り続けた井端は手ごたえを口にした。今季の構想では勝負強さを生かすために6番で起用される予定だったが、故障者などのため開幕から1番、2番、6番とめまぐるしく打順が変わった。5月上旬には死球の影響で左肋骨(ろっこつ)を痛めて登録抹消。同21日西武戦から復帰したが、その後は29打数7安打、打率2割4分1厘と低迷していた。

 「いいところは残して、悪いところは修正すればいい」。5月30日のソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)に敗れた後、落合監督はこう言い残した。首位巨人とは今季最大の6・5ゲーム差。貯金も「1」まで減った。逆襲のためにはキーマンの復調が欠かせない。【鈴木忠平】

 [2010年6月1日10時24分

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