<阪神3-3ソフトバンク>◇7日◇甲子園
杉内キラーは健在だ!
阪神浅井良外野手(30)の今季第1号は貴重な同点弾だった。「真っすぐ1本。1、2、3で振り切りました」。高めに浮いた141キロをフルスイング。もやがかかった甲子園の空に飛び出した打球は、バックスクリーン右に消えていった。
「ビックリしました。入ると思っていなかったので。たまたまです」と驚いたが、決して偶然の産物ではなかった。05年の沢村賞左腕に対して、試合前までで通算8打数4安打1本塁打2打点とデータ通りの活躍だった。1打席目は1点を追う2回、1死一、二塁。「次がピッチャーなので、ストライクが来たら思い切っていこうと決めていました」。カウント0-3から抜けたスライダーを振り切った。今季初打点をマークした勢いが1発を呼んだ。
迷うことなくフルスイング。一振りにかける思いは、世界の舞台で戦うファイターと同じだ。5月8日、07年から自主トレをともにするボクサー名城信男(28)のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチの声援に駆けつけた。最終ラウンドまでもつれ判定負け。1度の失敗で、地位を失う厳しい世界を目の当たりにした。
浅井も開幕は1軍で迎えながら、4月19日に2軍に降格し、1カ月半鳴尾浜でもがき続けた。6月4日に再昇格後は、中堅でスタメン出場を続けるが居場所を確立したわけではない。「後がないからね。一緒だよ」。年下のボクサーと自分の姿を照らし合わせる。この日は、ヒーローにはなり損なった。だが、必要不可欠な戦力として認められるには、十分過ぎる存在感を見せつけた。【鎌田真一郎】
[2010年6月8日11時16分
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