西武佐藤爽投手(23)がプロ初登板初先発で7回無失点、見事に初勝利を挙げた。育成契約2年目の春、支配下登録翌日の快挙になった。
4月末~5月上旬の9連戦はもちろん、首脳陣も当初から分かっていたこと。右ひじ痛で出遅れたアラン・ワイナンス投手(30)が当初、この9連戦での1軍初登板に向けて合わせていた。しかしコンディション不良で一度、ライブBPを回避。西口文也監督(53)も「9連戦には間に合わないと思う」と4月半ばにはイメージしていた。
実績のある与座海人投手(30)も右肩痛で出遅れ、松本航投手(29)はファームでも失点がかさみ、上田大河投手(24)らもファームでの圧倒的な成績にはほど遠かった。
シーズンは30試合に到達したばかり。春先はまずは支配下契約中の先発投手候補からチャンスを与えるのが王道ともいえる。しかし彼らには「決め手」がなかった。その中で佐藤爽が2軍で続けて好投、圧倒。支配下の残り枠は「3」とすでに少なかったが、佐藤爽が選ばれた。
西口監督は「そりゃ内容が一番いいから」と端的に話した。広池浩司球団本部長(52)も「(佐藤爽にとって2軍登板から中6日となる)5月1日の日程が空いたのもポイント」としつつ、実力も含め「それが育成選手であっても優先して登録して投げさせようということになりました」と経緯を口にする。勝つ確率を最優先した証しだ。
もちろん、9連戦をしのぐためだけに登録したわけではない。西口監督は4月30日、佐藤爽の起用について「中に入れることもあるかもしれない」とリリーフ起用の可能性が消えていないことを示唆した。クローザー岩城を除くと、リリーフ左腕に不安が残る現状がある。また9連戦後、チームは「1週間5試合」と日程が楽になり、むしろ先発投手が余る。
佐藤爽もこの日次第では一時的なリリーフ転換や、次回先発まで登録抹消となる可能性も十分にあったとみられる。その上でのこの快投。西口監督は試合後に「今日が良ければもう一度(先発で)投げさせようとは思ってたので」と話し、即日の登録抹消はしない方針を明らかにした。
先発陣では高橋光、武内、平良がここまで中6日をキープし続けており、彼らが1週休みを挟む可能性が今後ある。すでに1軍待機段階にあるワイナンスがそこに入る有力候補とみられたが、見事なマウンドさばきをやってのけた佐藤爽が、まずは次なるチャンスを手にした形だ。【西武担当=金子真仁】



