西武の佐藤爽投手(23)が1日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初先発初勝利を挙げた。支配下登録翌日の快投。抜てきした球団や首脳陣の期待に最大限に応えてみせた。
佐藤爽の支配下昇格で、7月末がシーズン中の登録期限となる支配下選手枠が残り「2」となっている。トレードなどで1枠増減する可能性もあるとはいえ、32人の育成契約選手で最大2枠を争う構図だ。
現在の西武1軍の“ニーズ”は何か。2軍の選手起用は割と雄弁だ。2軍公式戦で2~3イニング投げるいわゆる“中ロング”のリリーフ投手が増えた。1軍が候補を欲しているからこその運用の変化といえる。
いま2軍でその中ロングを任される高橋礼投手(30)、森脇亮介投手(33)の実績組右腕たちが「2枠」の候補に入ってくる。
高橋礼は1日までの時点で10試合登板で防御率0・63、森脇は12試合でいまだ自責点0と、2軍成績も安定している。
一方で高橋礼は「直球はいいんですが、その直球に頼りがち。もう少し変化球を安定してうまく使えるように。1軍に行って打たれたら何も意味がないので」と自己分析し、森脇も「球速がもうちょっとほしい」と話す。ともにこの状況に焦ってもおかしくない年齢でありながら、焦らず冷静に今の自身と向き合う。
昨季途中に支配下復帰した佐々木健投手(29)がオフに戦力外通告を受けた事例もある(その後、育成再契約)。昇格がゴールではなく「1軍で活躍し、来季は開幕1軍入りも考えられる」可能性を見いだせないと、球団も軽々には貴重な1枠を埋められない。佐藤爽が先発、中ロングの両面で今季戦力になっていく可能性だってある。
彼らの下の世代では、昨季の7月末にも昇格候補に挙がっていた宮沢太成投手(27)や三浦大輝投手(26)が再びテーブルに上がれるか。いずれも直球は150キロに迫る出力があり、宮沢はフォーク、三浦はスライダーに個性がある。与四死球やボール先行のケースが減ってくれば、チャンスが広がってくる。
福尾遥真内野手(20)の著しい成長などはあるものの、育成野手のチャンスはシーズン中はかなり絞られそうだ。その中でも春季キャンプを1軍で完走した育成4年目の是沢涼輔捕手(26)は何とかモノにしたいところだ。
育成選手が5人しかベンチ入りできない2軍公式戦に、是沢は今年は多く出場する。支配下登録捕手は6人のみで、全員がコンディション万全なわけではない。
話をリリーフ投手に戻すと、手術で離脱中の山田の回復ペースはかなり早く、キャッチボールの頻度も強度も上げている。コンディションが整わなかったウィンゲンターやラミレスも、段階を経て1軍に戻る。そうなれば、誰かが支配下昇格をせずとも十分に1軍ブルペンが機能する可能性もある。ここから先、誰がチャンスをつかむかは運も縁も絡む。【金子真仁】



