<ヤクルト3-1中日>◇26日◇神宮

 降りしきる雨の中、三塁ベンチから出てきた中日森野将彦内野手(32)の言葉は怒気を含んでいた。「情けない。ここにきて。神宮でいつもそう。いいものを見せないといけないのに悪い部分が全部出た」。目線の先には雨の中、左翼席に残る中日ファンの姿。体からわき起こる悔しさと情けなさを押し殺し、帰りのバスに乗り込んだ。

 試合再開後は1本もヒットを打てなかった。2回裏終了時に雨脚が強くなり試合が一時中断した。試合が再開したのは33分後。1回にヤクルト由規のフォークをたたいて中前適時打を放った森野もそれ以降はノーヒットに終わった。尻上がりに調子を上げる20歳右腕を前に中日打線はわずか2安打、そして9三振。まさにお手上げ状態だった。

 ストライクゾーンにも悩まされた。際どいコースをことごとくストライクと判定され、さらにイライラが募らせた。それでも2三振を喫した和田一浩外野手(38)は「審判がストライクと言えば、ストライク」ときっぱり。ここに来て終わったことを振り返るつもりはさらさらない。見据えるのは目前に迫ったゴールテープだけだ。

 残された試合は1試合。10月2日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)だ。それまでは試合がないため“待ち”の状態が続く。森野は「ぼくらにできることはそれ(待つ)だけ。最後は勝って終わる?

 もちろんですよ」と力強く言い切った。最終戦を待たずして優勝が決まる可能性もある。だが、メラメラと燃える闘争心を消すつもりはない。【桝井聡】

 [2010年9月27日10時20分

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