<日本ハム4-3西武>◇26日◇札幌ドーム

 日本ハムが、劇的なサヨナラ勝ちでクライマックスシリーズ(CS)圏内に再突入した。3-3の同点で迎えた9回1死一、二塁、糸井嘉男外野手(29)が左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、リーグ優勝のかかる西武との死闘にケリをつけた。ロッテがオリックスに敗れたため、3位に浮上。残りは1試合。28日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に勝ち、ロッテが負ければ、今季レギュラーシーズン最終戦で日本ハムの3位が確定する。

 一振りで4万人を総立ちにした。9回1死一、二塁。14打席安打のなかった糸井は、初球の高め真っすぐを、迷いなく振り抜いた。「久々に芯に当たりました。勝ったと思ってホッとした」。左翼フェンス上段を直撃する衝撃音は、大歓声にかき消された。本拠地最終戦の劇的サヨナラ勝ち。5年連続のクライマックスシリーズ出場に、大きな大きな1歩を踏んだ。

 チーム全員でつかんだ白星だ。1回には小谷野が先制の中前適時打を放ち、球団歴代3位に浮上する109打点目を挙げた。「ピッチャー方向に打ち返すことしか考えてませんでした。自分にも期するものがありましたから」。14試合ぶりに挙げた初回の先制点は、攻撃のリズムを生んだ。

 さらにサヨナラ劇の直前には、その小谷野が送りバントを試み、おぜん立てを狙った(結果は投ゴロ)。ヒーローになった糸井は「今一番頼りになる小谷野さんが、必死に送ろうとしている姿を見て、絶対に打とうと思った」。犠打でつなぐことはできなかったが、気持ちはしっかりとつながっていた。

 糸井は25日のソフトバンク戦、2度のバント失敗と併殺打で、完封負けの“戦犯”となった。「昨日は僕のミスでやられた。ふがいない打席で…へこみました」。気持ちを振り払うように、食事を取るとすぐに床に就いた。だが一夜明けて球場に入ると、いつもと変わらないチームメートたちがいた。選手会長で同い年の田中は「普段通り。あえて言うこともない」。歓喜の輪の中でびしょびしょにされた糸井だが「ありがたい」と笑みを浮かべた。

 立場は、逆転した。勝ち頭・武田勝が先発予定の28日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に勝ち、ロッテが楽天に敗れればCS進出が決定する。梨田監督は「いい形で北海道最後の試合を終われた。ウチはもう1試合、勝つしかない」。ムードは最高潮。培ってきたチーム力を、大爆発させる準備は整っている。【本間翼】

 [2010年9月27日10時54分

 紙面から]ソーシャルブックマーク