プロ野球ヤクルトのホームで大学野球の聖地、神宮球場に「ボールパーク計画」が浮上した。12球団では甲子園に次ぐ歴史を誇る球場が、来春の開幕に合わせて内野スタンドの改修を目指していることが29日、分かった。一、三塁側スタンドに、ファミリーシートや、カップルシート(仮名)を新設するプランで、来月にも着工する見通し。

 完成すれば、1926年(大15)に誕生した神宮のスタンドが、大幅にリニューアルされることになる。構想は一、三塁側スタンドの中段にそれぞれ約60席ずつ、机つきのプライベート空間をつくるもの。カップル用の2人席から、ファミリー用の4人席、5人席を予定。ヤクルト関係者は「詳細についてはこれからですが、前向きに検討しています」と話した。

 同様の席はこれまでKスタ宮城、マツダスタジアムなどの新興球場を中心に誕生したが、来年86年目を迎える歴史深い球場に誕生すれば画期的だ。神宮では春秋の東京6大学リーグ戦も開催。完成すれば同リーグの試合でも使用する方針で、大学野球界初のカップル席&ファミリー席の誕生になる。

 今季ヤクルトのホーム入場者数はリーグ5位の133万2928人だった。東京6大学連盟は日本ハム斎藤佑樹投手(22=早大)が卒業する来春以降の観客動員に向けて、活性化委員会を設立した。12球団トップクラスの立地条件を誇る神宮のスタンド改修は、観客増へ、ハード面の新サービスになる。ビールやお弁当を手に、仲間と一緒にゆったり試合観戦。ファンにとっては、来春以降の大きな楽しみになりそうだ。

 [2010年12月30日9時4分

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