開幕こだわらん!
右肘手術からの復活を目指す中日吉見一起投手(26)が18日、愛知・知多市内で自主トレを公開。2年連続の開幕投手について「正直そこは見えないです」と消極的な発言をした。キャンプ2軍スタートも内定済みでキャッチボールも控えている。長いスパンでチームに貢献するため、開幕の栄誉より回復を優先する。
吉見は完全復調への道のりを慎重に見極める。古巣トヨタ自動車の投手陣とともに、知多市内の砂浜でダッシュを繰り返した。約2時間、文字通り砂にまみれた。キャッチボールなどボールを使ったメニューはない。手術明けの現状も踏まえ、栄誉でもある開幕投手にこだわらなかった。
吉見
1日も早く投げたい。でも正直そこ(開幕)は見えないです。合わせたら1年を棒に振るかもしれない。絶対そこに合わせる、ということはない。たとえば5月、6月からでもいい。
昨季は初の開幕投手も務め、3年連続2ケタ勝利を挙げた。だが、シーズン中盤から右肘に痛みが出て、日本シリーズは2戦とも満足な投球ができずチームに貢献できなかった。オフの昨年11月、手術に踏み切った。さらに、同12月中に再手術を受けていたことも判明した。
痛みはもうないといい、経過も順調。それでも「キャンプで沖縄に入ってから投げられれば」と投球はまだ。調整具合から逆算しても、開幕に間に合わせるのは容易ではない。主戦投手の自覚はあるが、足元をみて歩む本来のスタイルを貫き通す。
吉見
今年1年目立った活躍をするのもいいけど、それより長いスパンで考えたい。去年は数字的な目標を立てて、後悔した。先のことを考えず、目の前のことからやりたい。
昨季は巨人戦5勝と数字の目標を掲げたが、9月初旬に達成した瞬間「満足感が出た」。フッと気持ちが緩んだという。同じ過ちは繰り返さない。“開幕投手”と掲げれば、間に合わせただけで満足してしまいかねない。だからこそ栄誉を“捨てて”真の復活ロードを歩む。リハビリ中は股関節まわりや肩甲骨の使い方を重点的にチェック。柔軟性のある新ボディーも構築中だ。
自主トレ会場の砂浜は、その一角が、人工島にもかかわらずアカウミガメが産卵したとして世界的に注目を集めた場所。うさぎ年だが、吉見はカメのような歩みを選択。ぴょんぴょん先行するのと、カメの歩み-。どちらが正しいかは、だれもが知っている。グッとこらえ、最後に笑ってみせる。【八反誠】
[2011年1月19日11時51分
紙面から]ソーシャルブックマーク



