<オリックス1-5中日>◇28日◇京セラドーム大阪

 右の大黒柱が完全復活を証明した。中日吉見一起投手(26)が7回5安打1失点で4勝目を手にした。防御率も1・31と変化せず、リーグトップを守った。昨オフの右肘手術から初めての中5日の登板。いつも通り試合中は無表情だったが、帰りのバスに乗り込むときにはすっかり笑顔に変わっていた。

 「こういう日程なのでその(中5日の)つもりでいた。(先発が)4人しかいないので誰かがいかないといけないと思っていた」

 生命線のコントロールはピンチでも狂わなかった。6回1死から田口、T-岡田に連打を浴びて1点を献上した。なお1死二塁。ここで、北川をフォークで右飛。直後にマウンドで谷繁と攻め方を確認すると、最後は李承■を内角スライダーで右飛に仕留めた。

 球界屈指の制球力を誇る男は「壁当て」を欠かさない。登板日が近づくと外野フェンスを使って壁当てをする。ただ投げるだけでく、標的に目がけて投げる。当たれば、距離を少しずつ伸ばす。今季もその姿は変わらない。

 「まだまだ、アウトを取ったとしても、もっとしっかり制球力を磨いて有利なカウントで投げられるようにしたい」

 森ヘッドコーチは「普通だよ。中5日は普通」と話した。だが、中4日登板を3度も経験しているネルソン、26日日本ハム戦で今季最多の8イニングを投げたチェン。そしてこの日の吉見。強固な先発陣がさらに引き締まったことは間違いない。【桝井聡】■は火ヘンに華