<ヤクルト3-0ロッテ>◇18日◇神宮
ヤクルト館山昌平投手(30)は左手でプレートについた泥を拭き取った。9回1死一、二塁。完封目前で林昌勇にマウンドを引き継ぐことが決まると、雨の中、救援を仰ぐことになったことを申し訳なさそうに、礼を尽くした。
自分は雨を苦にしないからこその思いやりだ。小川監督も、ヤクルトで一番雨に強い投手は?
と聞かれると「館山」と即答するほど、雨の中での好投を重ねてきた。「もともと両足を着いてから投げるタイプだから、自分は影響が少ないんじゃないでしょうか」と、スパイクにこびりついた泥を落とした。
前回のソフトバンク戦では危険球退場した。ただでさえ当てたシュートは投げにくいが、雨で滑りやすい悪条件が重なった。それでも「いつもは勢いで食い込むシュートを投げてるんですが、今日は、間違っても頭にいかないようにシンカー気味の方にしました」と工夫して切り抜けた。
館山は変化球だけでなく、直球でも複数の握りを持つ。由規が「絶対にまねできない」という指先の器用さも、雨中の投球を助けた。
今日19日は父の日だが、びしょぬれになりながら頑張ったパパなら誇りだろう。長女、海音(かのん)ちゃんの3歳の誕生日だった8日には、ディズニーシーとランドに泊まりがけで行って祝った家族思いの男。「最近、モノをよく投げるんです。丸いモノだと特に。でも、僕も投げるんで怒れないんですよ」。眼光鋭くセ・リーグ最多の交流戦18勝を挙げた右腕も、娘のことを話す時ばかりは目尻を下げた。【竹内智信】



