<中日1-1広島>◇21日◇ナゴヤドーム

 落合竜が投手陣の踏ん張りで何とか引き分けた。先発山内が7安打を浴びながらも7回まで1失点で踏ん張ると、8回からは浅尾、岩瀬、鈴木が無失点で切り抜けた。貧打は相変わらずで初回にマエケンから奪った1点のみ。落合博満監督(57)の通算600勝、5連勝での2位浮上もお預けとなった。

 もう、負けがなくなった延長10回2死二、三塁。最後は野本が空振り三振に倒れた。「ああ~…」。ファンのため息とともに今季4度目の引き分けが決まった。ただ、スコアボードを見上げれば自軍の6安打に対して、広島には10安打を浴びた。投手陣が何とか粘って、粘って、手にしたドローだった。

 堤防はいつ決壊してもおかしくないように見えた。先発山内は初回から6回まで毎回、得点圏に走者を背負った。1死満塁のピンチもあった。

 「思っていたことが全然できなかった。立ち上がり思ったように投げられず、テンポを悪くしてしまった」

 それでも決定打は許さなかった。3回の犠飛で失った1点だけで踏ん張った。

 1点勝負となった8回からは盤石の継投に入った。まずは今季広島戦でいまだ無失点の浅尾がマウンドに上がった。広島の切り札である前田智に安打を許すなど1死一、二塁のピンチを背負ったが、石原、そしてもう1枚の切り札石井を高速フォークで空振り三振にしとめた。

 そして9回は前日に史上初となる8年連続20セーブを達成した岩瀬だ。東出、木村のうるさい1、2番を空振り三振にしとめるなど3人で料理した。「昨日と調子は変わらなかったけど(肩が)張っている方がいいのかな」。規定の3時間30分にさしかかった延長10回は鈴木が踏ん張った。結局、この3連戦で相手に与えたのは2点のみだった。

 試合後、落合監督は笑みをたたえながら会見場にやってきた。「みんなの声も聞いてみるか」とイスに腰をかけたが、いくつかの質問に首を振ると「そんな質問じゃあ、オレがここに来なくてもいいんじゃないのか」とポツリ。「見ての通り」と言って引き揚げた。1-0の勝利が続いたここ2試合は「らしい」、「らしいの2乗」と決めせりふを使ったが、終盤の好機をものにできなかったこの日「らしい」とは言えなかった。

 王手をかけていた監督通算600勝も2位浮上もお預け。それでも命綱である投手陣とともに前進するしかない。【鈴木忠平】