<巨人1-2阪神>◇24日◇東京ドーム

 微動だにできなかった。1-1同点の6回だ。先頭打者は巨人アレックス・ラミレス外野手(36)。前の打席で14号ソロを放ち、通算本塁打を史上26人目の350号に到達したばかり。能見も警戒レベルを最高度に引き上げての勝負だった。外角低めフォークを空振り、高めの直球を見逃して2ストライクと追い込まれる。3球目、内角低めの直球。外勝負を読んでいたラミレスは、動けない。完敗の見逃し三振だった。

 「能見の直球」にやられた。3年越しの8連敗の屈辱も味わった左腕に、フォークに屈する場面が多い。低めのボールゾーンの球に手を出して、空振り三振や、凡打を繰り返すのが負けパターンだった。この日も「能見のフォーク」を見極める「能見対策その1」を準備していた。

 ただし、この日は1回の坂本が内角直球で見逃し三振を喫したのをはじめ、5回の長野もストレートに空振り三振。フォーク対策を講じるのを、阪神に見透かされたように、直球で仕留められた。岡崎ヘッドコーチは「低めの変化球の見極めは、ある程度できていた。いつもと同じようなやられ方ではなかった。ストレートにやられた感じ」と振り返った。3安打完投の内海を見殺しにしただけに、原監督は「やはり、多く打席に立っている連中が何とかしないとね」と、主軸の奮起を求めた。

 前日の2番寺内に代えて、藤村を起用した。足で能見をかき回すのが狙いだった。藤村は5回2死から四球で出塁し、二盗成功。期待通りの仕事をしたが、結果的に得点には至らなかった。4回は30球、5回23球と、球数を投げさせるべく粘りもみせたが、能見に8回まで投げさせてしまった。

 手は打っても、接戦で屈した。いい投手にいい投球をされれば、簡単には打てないもの。中日チェン、ヤクルト増渕と、最近の負け方の共通点だ。9月、さらにはクライマックスシリーズでは好投手との対戦が続く。好投手対策が今後の巨人の課題だ。【金子航】