<中日0-0巨人>◇8日◇ナゴヤドーム

 巨人沢村拓一投手(23)は毅然(きぜん)とした態度だった。延長10回を無失点で投げ切りながら、7勝目はならず。複雑な感情が入り交じる中でも、しっかりとした口調で答えた。「勝負の流れがあるので、勝敗は気にしていないです」。中日ソトとの息詰まる投手戦を演じた熱気を帯びながらも、言葉は冷静だった。

 圧巻の投球で、スコアボードに「0」を並べた。課題だった立ち上がりの3回を完全投球。4回2死から森野に初安打を許しても、一切表情は変えなかった。唯一のピンチだった7回1死二塁では、ブランコ、和田を中飛で凡退。プロ最長の10回を投げ、走者を許したのは2回。96球の省エネ投球だった。

 0-0で引き分け。負けなかったことに大きな意味があった。今季チームの無得点は11試合だが、6試合が沢村の投げた試合。好投を続けながらも、勝ち星が伸びないが、援護がないことを否定する。

 沢村

 援護がないとか新聞には書いていますが、それは違うと思うんです。先に1点でも点を与えている時点で、僕は勝つチャンスを失っているんです。1点をもらったら、それを守るのが投手の役目。点をやらなければ負けないし、野手の方が守ってくれているから僕も頑張れるんです。

 ルーキーながら、チーム一番乗りで規定投球回数に到達した。巨人では03年木佐貫(現オリックス)以来の快挙だが「勝たなくては意味がないです」と感慨に浸ることはなかった。「次につなげて、また頑張ります」。バスに乗り込むまで、表情を変えることはなかったが、次戦にかける思いを短い言葉に込めた。【久保賢吾】