クライマックスシリーズ(CS)で完全復活ダ!

 右膝蓋(しつがい)骨骨折でリハビリ中のソフトバンク松中信彦外野手(37)が11日、CS出場に強い意欲を示した。CSまでの復帰が微妙な状況だったが「絶対に間に合わせる」と断言。明日13日にも打撃など通常練習を再開し、過去7年間の悔しさを晴らすべくチームを日本シリーズへ導く。

 7年間の悔しさが、主砲の回復を早めた。松中が、CSでの復帰に照準を定め、明日13日にも通常練習を再開する。今日12日、福岡市内の病院で最終的な検査を受ける予定だが、この日も福岡ヤフードームで体を動かした主砲の中では、覚悟は固まっていた。

 「絶対に間に合わせる。ただチーム状態もいいし、中途半端な状態ではダメだし、チームに迷惑がかかる。間に合わせるだけじゃなくて、完璧な状態にもっていく」

 悲願の日本一へ向けて、CSまでの残り3週間で勝負をかける。現在チームは福田、明石ら若手の活躍もありV決定後も勢いは衰えず8連勝中。今季は打率3割8厘、12本塁打と好調な打撃で勝利に貢献したが、もう1度レギュラーを奪い返す気持ちでCSまで調整を続けるつもりだ。

 不調だった昨季の巻き返しに燃え、オフには徹底的な走り込みで下半身から鍛え直した。それが打撃の復活につながっただけに、今回もまずは走り込みから下半身を作り直す考え。今月末に1軍が調整を行う宮崎フェニックス・リーグで実戦復帰し、結果を求めCSでのスタメン出場をアピールする。

 過去のポストシーズンでは思うような打撃ができず、主砲として敗退の責任を一身に背負ってきた。ぶっちぎりのVを決めただけに、今季こその思いは誰よりも強い。「絶対に日本一になりたい」。03年の日本一の歓喜も、その後7年間の涙も知る男が、完全復活しチームを日本一まで導く。【倉成孝史】

 ◆松中のポストシーズン

 プレーオフ制度が開始した04年、西武との第2ステージで打率1割5厘とブレーキとなり、チームは1位通過を果たしながら敗退した。06年の西武との第1ステージでは松坂から本塁打を放つなど4割6分2厘の活躍で、第2ステージ進出に貢献。だが日本ハムとの第2ステージでは打率2割と精彩を欠きチームは敗退した。09年のプレーオフは右膝手術のため欠場。リーグ優勝した昨季は、ロッテとの第2ステージで打率1割6分7厘。出場5度のポストシーズンの通算は1割9分。