巨人の切り札は、歴代選手にミスターもお墨付きの「栄光の18番」だった。巨人はソフトバンクからFA宣言している杉内俊哉投手(31)の代理人である酒井辰馬弁護士(45)と16日、都内で2度目の交渉を行った。14日にはソフトバンクが決裂原因だった変動制を改め、年俸固定制で4年契約、巨人を2億円上回る総額22億円(推定)を提示するなど慰留に向け大幅譲歩案を示していた。

 巨人は誠意と覚悟を示した。8日の初交渉では原監督からの直電話で杉内をグラリとさせつつ「野球人生を懸ける思いをどう受け止めるか」との課題も受けていた。原沢GMは「巨人の歴史で7人の方しか背負ってない番号。歴史と伝統がある。彼に示せるものはこれしかない」と、背番号18の正式提示を導き出した。

 だが、この番号は生え抜き右腕のイメージが強い。そこで原沢GMは、原監督、歴代18番選手、長嶋終身名誉監督にお伺いを立てた。原沢GMによれば、原監督には「ふさわしい、価値のある選手」、堀内氏には電話で「長い間空いている番号になってしまうので埋もれてしまう。いい機会なんじゃないか」、桑田氏も電話越しに「球団がお決めになること。頑張ってください」、長嶋終身名誉監督には「それは結構です」と、それぞれ了解を得た。また、藤田氏側には原監督が夫人に電話をし「喜んで」と言われたことを明かした。

 誠意ある手順を経ての18番提示に、杉内サイドの心はわしづかみにされた。酒井弁護士は「杉内君の野球人生を受け止める覚悟と思いを結晶させた話。お金とかそういうもの以外で示せる最大限の思い。120%のお答えだったんじゃないかな」と高評価。「彼が1人の投手として野球人生が終わるまで腕を振り続けることができる環境を十分に整えていただいたと思いました」と表情を緩めた。また同席しなかった杉内には交渉途中に電話で伝え、「本当ですか?」と感激し、絶句したことを明かした。杉内と週末にも福岡で話し合い、週明けにも巨人入りを表明する見込みだ。【浜本卓也】