<巨人6-2DeNA>◇25日◇東京ドーム
巨人が統一球を克服しつつある。DeNAを本拠地に迎えた後半戦開幕は、ジョン・ボウカー外野手(29)、坂本勇人内野手(23)、エドガー・ゴンザレス内野手(34)が本塁打を放ち快勝した。推定飛距離は順に120メートル、115メートル、120メートル。3本とも「打った瞬間」、文句なしの当たりだった。飛ばないとされるボール導入2年目、本塁打の平均飛距離が、開幕から着実に伸びている。ロングヒッターたちが本来の飛ばしを取り戻すまでには、地道な取り組みの軌跡があった。
甲高い反発音は、バットの真芯を食った何よりの証拠だった。4回ボウカー、坂本。5回エドガー。DeNAに先制を許したから、中盤までの3本塁打がより効果的だった。巨人の後半戦は空中戦で滑り出した。
今月中旬、原監督が「打球が飛んでいる面がある。ピッチャーが疲れてきたかな。10人中8人が『捉えたな』と感じる当たりがホームランになるのは、悪いことじゃないね」と気付いた。交流戦までのチーム本塁打の平均の推定飛距離は113・9メートル。交流戦後は118・6メートルに伸びていた。
岡崎ヘッドコーチも「オレもそう思う。最近、飛ぶね」と同調した。「開幕からいろいろ取り組んできた。実を結んできたのかな」と加えた。開幕直後、貧打に苦しんだ。講じた対策が今、飛距離という結果になって表れていると分析した。
(1)パワーの向上
「スイングスピード×パワー=飛距離。振るパワーが備わってきた」とみた。開幕直後から、本拠地での練習では試合と同じ統一球を使用することを徹底した。ティー打撃から使用し、3連戦ごとに交換する。気持ち良く飛ばせるようにと、練習で「飛ぶボール」を使うDeNAなどとは異なるアプローチ。統一球と徹底的に向き合う方法を選択した。
(2)ミート技術の向上
「打てなくて、バットを短く持ったよね。芯に当てる技術が上がっていると感じる。真芯に当たれば、短く持っても飛距離は出るんだ」と加えた。強振を避け、つなぎの意識を植え付けさせるため、主力にもバットを短く持たせた。最初は「際どいボールでもバットが止まる」と始めたが、数カ月を過ぎれば、飛距離アップの極意になっていた。屈指の飛ばし屋である阿部も「飛ぶ。短く持った効果はある」と認めた。
左翼席中段に2ランを刺した坂本は「もっと行ったかと思った」と勇ましいコメント。前半戦でつなぎがクローズアップされたが、でっかいホームランで戦意を刈るのが真骨頂。硬軟織り交ぜた分厚い攻撃で、後半戦も走る。【宮下敬至】
▼巨人はボウカー、坂本、エドガーが1発を放って後半戦の開幕を白星で飾った。巨人の後半戦白星スタートは08年以来、4年ぶり。1試合3本塁打は4月13日DeNA戦(阿部2本、坂本)に次いで今季2度目だが、3人が本塁打は初めて。これで東京ドームでは6月11日ロッテ戦から1分けを挟んで10連勝。巨人の本拠地球場の連勝記録は後楽園球場時代の83年にマークした15連勝だが、東京ドームで10連勝は89年6~8月、08年8~9月に次いで3度目のタイ記録となった。



