阪神が、ツインズを自由契約となった西岡剛内野手(28)に大型契約を用意して速攻アタックを始めた。これまでも日本復帰の可能性を探り獲得調査を重ねてきたが、ツインズと結んでいた3年総額1430万ドル(約11億4000万円)を上回る条件を用意。球団首脳がラブコールを送り、獲得に自信をみなぎらせた。古巣ロッテなどが獲得に名乗りを上げ国内争奪戦がスタートした。

 阪神球団首脳が、ツインズを自由契約になった西岡にさっそくラブコールを送った。西宮市の鳴尾浜球場に現れた中村GMは朝から情報を確認し、力強く言った。「報告は受けた。そういう形になったのなら、さっそく検討に入りたい。向こうのスカウトがずっとチェックしていたと思う」。南球団社長も「うちにとっては朗報です」と獲得の意思を隠さなかった。

 金本と城島という大きな柱が相次いで今季限りの現役引退を決意。阪神は新たなスター選手の獲得を目指していた。西岡は地元の大阪桐蔭出身。9月に就任した中村GMはセンターライン強化を掲げ、守備力と機動力で広い甲子園に対応したチーム作りを表明している。俊足巧打の西岡はその条件に当てはまる人材だ。二遊間、三塁も守れ、FA権を保有する鳥谷や平野が他球団に流出した場合でも大きな戦力ダウンは避けられる。

 今オフの補強リスト最上位に西岡の名前を挙げ、夏場から本格的に獲得調査を開始。中村GMも16日から3泊5日の強行日程で米国に飛んだ。現地で動向調査を徹底的に行い、その後も水面下で情報収集をしながら、日本球界復帰のタイミングに備えてきた。

 球団首脳は「他球団に負けない条件を出せる」と話す。ツインズが結んだ3年総額1430万ドル(約11億4000万円)を上回る大型契約を提示するのは確実な状況だ。熱意と条件面で、争奪戦を圧倒的優位に進める自信を持っている。

 オープンに交渉ができるため、10月中にも中村GMが直接出馬する方向。西岡にダメ押しのラブコールを送り、合意及び正式契約の流れを作る算段だ。かつて甲子園を沸かせた新庄と同じ「TSUYOSHI」に、猛虎復活の切り札を期待している。

 ◆西岡剛(にしおか・つよし)1984年(昭59)7月27日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭では3年夏に甲子園出場。02年ドラフト1巡目でロッテ入団。05年にレギュラーに定着し日本一。フルイニング出場を達成した10年は内野手、両打ちで初の200安打超え、プロ野球最多シーズン27度の猛打賞をマークし、最多安打、首位打者を獲得。チームの日本一に貢献した。06年WBC、08年北京五輪出場。182センチ、80キロ。右投げ両打ち。