相思相愛が実った。高校通算69本塁打の「ハマのゴジラ」横浜・筒香嘉智内野手(3年)が、地元横浜からドラフト1位指名を受けた。

 横浜・筒香は、プロの切れとスピードを体得するまで大口をたたかない。横浜高でドラフト会議をラジオ放送で聞き、単独での1位指名が決定すると笑顔を見せた。「感謝でいっぱいです。プロのスピードや切れに慣れるまで2年ぐらいかかると思う。慣れればやれる自信はある」と目を輝かせた。

 開幕1軍や新人王という言葉は一切出てこない。「そのレベルに達してない」と謙虚だが、入団後の青写真をしっかり描いている。3年間見守った小倉部長は「2年はファームで、3年目から出てくれればいい。とにかく(打撃の)タイミングを覚えないと」と話す。いったん構えてから、もう1度トップを作ってしまうクセを修正。振り遅れて、詰まらない打撃のタイミングを練習し続けていた。

 ハンマー型で950グラムと重い木製バットでプロへの対応も始めている。両打ちをしていた時期もあり「(右も)同じだけ振ってきたし、やっていこうと思う」と“復活”する可能性もみせた。30年以上同校からプロ選手を輩出してきた小倉部長も「横浜高校では過去にこれだけ飛ばす選手は見たことない。プロでも清原、松井、中田ぐらいでしょう。本数だって西武のおかわり君(中村)ぐらい打てる」と太鼓判だ。

 だから焦らない。筒香は「今まで自分の感覚を大事にしてきた。自分に合うものは吸収していきたい。横浜高校の監督、部長に教わったことを変えるつもりはないです」と芯の強さものぞかせた。将来の長距離砲が主軸を張るとき、横浜の夜空に大量の花火が上がる。【今井貴久】