約14年間、所属した新日本プロレスを退団したタマ・トンガ(41)がWWEに電撃参戦した。

12日(日本時間13日)、米ミシガン州デトロイトで開催されたスマックダウン大会。人気ユニット「ブラッドライン」のソロ・シコア、ジミー・ウーソ、顧問のポール・ヘイマンが登場したシーンだった。レッスルマニア40大会で組まれたジェイとのウーソ兄弟対決に敗れたジミーの背後に黒いフードを被った人物が襲撃した。その人物こそ、トンガだった。

4度のサモアンスパイクでジミーを「制裁」したシコアとともに並び立ち、右手人さし指を高く掲げてユニット入りをアピール。解説者のコーリー・グレイブス氏は「何年も日本でリングを荒らし続けてきた(キング・)ハクの息子だ!」と絶叫した。トンガが手渡したパイプいすを受けとったシコアはKO状態のジミーの首にかけ、とどめのヒップアタック葬。会場にはファンの大きな悲鳴が響いていた。年間最大の祭典レッスルマニア40大会が終了。新たなシーズンを迎えたWWEの注目選手として名乗りを挙げた形となった。

米専門メディアでは、トンガのWWE初登場が大きかったことが報じされた。WWE公式ユーチューブで更新されたトンガ登場動画の再生回数が120万回を獲得。この数字はライバル団体となるAEW(オール・エリート・レスリング)に移籍したオカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイ、メルセデス・モネ(サーシャ・バンクス)の初登場よりも再生回数が多かったと報道。WWE内でも新メンバーのトンガに対する期待が大きくなったと伝えるなど注目度の高さがうかがえる。現在、日本ではABEMAでWWEが放送されている。

新日本ではユールユニット、バレットクラブ創設メンバーの1人だった。16年頃からWWEに誘われていたが、家族との生活を優先するために新日本残留を選択。トンガ本人にとっても待望のWWE移籍となる。現在、WWEにはバレットクラブで一緒に活動したフィン・ベイラー(プリンス・デヴィット)、AJスタイルズ、カール・アンダーソン、ルーク・ギャローズらが所属している。

当面はシコアと行動をともし、ブラッドラインの一員として行動することになるだろうが、旧知の仲となる選手たちがWWEに数多く所属していることから、トンガが躍動できそうな環境が整っている。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)

ソロ・シコア(左端)とともにジミー・ウーソ(中央)を襲撃するタマ・トンガ(C)WWE
ソロ・シコア(左端)とともにジミー・ウーソ(中央)を襲撃するタマ・トンガ(C)WWE