プロボクシングの元世界2階級王者で引退表明した亀田大毅(26)が5日、米シカゴから帰国した。左目網膜剥離で4日に引退表明していた。報道陣に囲まれると穏やかな表情で答えた。ケガは昨年6月に発症したが、9月には再起までこぎ着けた。1-2の判定負けだったが「試合の前には引退を決めた。リングに上がるのが怖くて、あの感覚は初めてだった」と振り返った。

 小6から20年間のボクサー生活には「最高のボクシング人生。大毅としては完璧。世界王者にはなれないと言われていたが、まさか2回なれるとは思わなかった」と笑みがこぼれた。2年前に統一戦では計量失格の相手に負けも王座保持で物議を醸し、国内でリングに上がれなくなった。「負けた瞬間は辞めようと思ったが、家族らに迷惑懸けた分、もう1回真剣にやろうと思った。強くなったと思ったところでケガをした」と話した。

 今回は10月の兄興毅の応援で、シカゴからメキシコ、ニューヨークなどを旅行した。「世界は広いと分かった。世界を回って新しい夢を見つけたい。本も読みたい」と、興毅同様に第2の人生を決めるのはまだ先となる。最後の撮影ではお決まりのファイティングポーズはせず。頭を下げて成田空港を後にした。