女子プロボクシングの世界王者と前世界王者が競演し、福島原発事故で避難している被災者を勇気づける。

 スパイダー根本ジムが10日に都内で、4月10日に埼玉・草加市文化会館ホールで熱闘女子と題したダブル世界前哨戦を発表した。IBFライトフライ級王者柴田直子(34=ワールド)と前WBAライトミニマム級王者宮尾綾香(32=大橋)が、ノンタイトル8回戦でタイ人と対戦する。

 根本会長もいわき市の実家が被災して一時避難したこともあり、以前からのプランを初の主催で実現することになった。「ボクシングで女子が頑張っている姿を見せて、同じ福島県人として勇気づけたい」。当日は近隣に今も避難している50人を無料招待する。

 柴田は「名前に負けないよう熱くなるような試合で少しでも元気になれば」と話した。8月にV5戦で竹中(高砂)と指名試合の予定だが、昨年は2-1判定と引き分けでの防衛。「夏につながるようにスッキリ勝ちたい」と、初のタイ人相手に意欲的だった。

 宮尾は昨年10月にWBCアトム級王者小関との統一戦で、判定負けからの再起戦にもなる。「少しでも元気になんれるような試合をしたい。次のタイトル戦につながるように、早く試合がしたい」とこちらも気合が入っていた。