<プロボクシング:WBA世界バンタム級王座決定戦>◇26日◇埼玉・さいたまスーパーアリーナ○同級2位・亀田興毅(24=亀田)

 判定

 3-0×同級5位・アレクサンデル・ムニョス(31=ベネズエラ)<開始前>

 よろいを着たかのようなコスチュームで登場。パフォーマンスはなく、リング前でいつも通りに気合を入れた。目をつぶり、左胸にグローブを当て君が代を聞いた。<1回>

 立ち上がり前に出てくるムニョスに対し、興毅は顔の前でガードを固め距離を取りながら、左を出していく。2分手前、もぐりこむようにして左ボディ当てた。大振りが目立つ相手に終了間際にも左ジャブを顔面にヒットさせた。<2回>

 ムニョスの一発を警戒してか、興毅は間を取りながら、相手の周囲を回る動き。体格的に勝る相手に対し、左ボディを当てていく。2分20秒過ぎ、コーナーを背に相手の連打を浴びた。ムニョスの腕が伸びてくる印象で、興毅はフットワークでかわしている。<3回>

 興毅は出てくる相手にカウンターを合わせているが、構わず出てくる相手にコーナー詰められる場面が目立つ。2分手前から、距離を詰めてきた相手にカウンターが立て続けに2発ヒット、相手の前進を食い止めている。<4回>

 40秒、興毅の右フック。パッチのヒット数では相手を上回っている。カウンターを警戒してか相手もこの回は様子をうかがう場面が増えている。2分過ぎ、ロープ際出てきたムニョスに左のショートを合わせる。ロープを背にする場面が多いものの、的確にパンチを当てている。<5回>

 お互いに足を止めて、タイミングをはかるようにジャブを出し合っていく。1分30秒、興毅は距離をあけていたが、右をもらってしまう。思った以上にムニョスの腕が伸びてくるようだ。やはり、前に出てくる相手のボディ、顔に的確にパンチをヒットさせている。<6回>

 しっかり距離をとって、相手を呼び込む興毅。1分過ぎ、先に中に入ったのは興毅。クリンチになったが、その際にムニョスが後頭部を殴り減点1。2分過ぎから相手は積極的に出てきてワンツー、左が顔面をとらえる。それでも興毅は的確なカウンターで反撃している。<7回>

 前に出てくる相手にロープ際を足を止めず動く興毅。1分、リング中央に飛び込んで、左ストレートを顔面に当てた。カウンター狙って距離を取る作戦を続けている。相手は手数こそあるが、空を切る場面が多い。<8回>

 ムニョスが様子を見るようになった。先に動いてこない相手に、ノーモーションの左ジャブ、態勢をずらしての左フックを出す興毅。2分過ぎには飛び込んで左ボディを入れた。動きの速い興毅が、相手の懐にもぐりこむ場面が目立つ。<9回>

 相変わらず興毅のカウンターが的確にヒットする。逆に興毅から、飛び込んでいく場面も多くなっている。2分半、左のカウンターは相討ちになった。ムニョスにはやや疲労の色が見えているが、興毅も連打を当てるシーンは無い。<10回>

 30秒、興毅はムニョスの右、1分過ぎにも左アッパーをもらってしまった。この回に入って積極的に打って出てきた相手に、ロープ際詰められることが多い興毅。2分過ぎから興毅はカウンターを3発当て反撃した。的確さの興毅、手数のムニョス、対称的な2人の試合ぶり。<11回>

 ムニョスが手を出していくが、有効打はない。興毅も状況を打開できずこう着。2分過ぎ、カウンターを当てた興毅は前に出て打っていく、2分半には左ストレートを当てたがあと一歩詰めきれることができなかった。<12回>

 最後の3分も落ち着いた立ち上がり。やはり手数ではムニョスが上回っている。1分過ぎ、興毅は「シャー」と雄叫びをあげた。その直後、左のボディ連打でムニョスが尻をついた。ダメージがあるムニョスに興毅が一気に攻勢立った。コーナーに追い込んで連打を浴びせたが、もう1度ムニョスを倒すことはできなかった。判定は115-110、116-109、117-109の3-0。興毅が日本人初の3階級制覇を成し遂げた。