<プロボクシング:ライト級6回戦>◇30日◇東京・後楽園ホール◇1450人

 ノンフィクション作家・沢木耕太郎氏の著書「一瞬の夏」の主人公で知られる元東洋ミドル級王者カシアス内藤氏(62)の長男・内藤律樹(20=E&Jカシアス)が、プロデビュー戦を白星で飾った。プロ戦績21戦のベテラン、小野木崇文(34=大一スペースK)と対戦。序盤からフットワークを生かした左ストレートと左右のフックを浴びせて優位に立つと、3回1分41秒に左右の連打を浴びせ、レフェリーストップでTKO勝ちした。

 試合直前のリング上で、息子のプロデビューを待ち焦がれていた父の引退式が行われた。勝って父の花道を飾るつもりで臨んだ内藤は「おやじの引退と世代交代がかかっていた。後を引き継げるボクシングをしたかった」と親孝行の勝利に笑みを浮かべた。