新日本の棚橋弘至(33)が初の最優秀選手賞を獲得した。09年プロレス大賞選考会議が8日、都内の日本プレスセンターで行われた。棚橋は今年、IWGPヘビー級王座を2度獲得し、通算4度防衛。ベストバウト賞にも棚橋の5試合がノミネートされるなど、団体をけん引したことが評価された。03、06年と敢闘賞、07年は殊勲賞を獲得したが、ついに悲願のMVPを受賞した。新日本勢のMVPは01年の武藤以来、8年ぶり。授賞式は16日、都内のホテルで行われる。

 自称「新日本のエース」が「日本プロレス界のエース」となった。受賞の報告を受けた棚橋は第一報を父、貞之さん(63)に入れた。「父にはプロレス入りするとき『どうせやるなら日本一になれ』と言われた。だから報告したけど、仕事中で『おめでとう』って1分で切られた」と苦笑いした。

 1月に全日本・武藤から団体の至宝を奪還。タイトル戦で中邑、アングル、後藤、中西、ノアの杉浦と、実力者を次々に倒した。8月のG1クライマックスで右眼窩(がんか)内側壁を骨折し王座返上も、存在感を存分に見せつけた。

 内舘牧子選考委員も「スターの座を守り通してきた」と評価した。プロレス人気復興へ棚橋は「地上波のゴールデンタイム放送復活のため、僕がなんとかしたい」と使命感に燃えていた。