総合格闘家の石井慧(25=レインジム)が3月31日、ブラジルで再起戦に臨むことが10日、決定した。同国のマナウスで開催される格闘技興行アマゾン・フォレスト・コンバット(AFC)で、PRIDE、UFC、DREAMなどで活躍してきたソクジュ(27=カメルーン)と激突する。石井にとって「元気ですか!!大晦日!!」でエメリヤーエンコ・ヒョードル(35=ロシア)に1回TKO負けして以来、約3カ月ぶりの試合。昨年9月にも出場したAFCで再出発を図る。

 石井にとって待望の再起戦だった。ヒョードルに完敗した直後に「この負けを糧にまた頑張りたい。続けて試合を積みたい」と話し、先月11日には渡米。翌日から練習を再開していた。当初、05年PRIDEミドル級GP準優勝のヒカルド・アローナ(ブラジル)が対戦候補として浮上していたが、主催者サイドの交渉段階で決裂。最終的には07年4月のPRIDE34で、その強豪アローナに1回KO勝ちしたソクジュとの対戦が決まった。

 カメルーン出身のソクジュは「アフリカン・アサシン」(アフリカの暗殺者)との異名を持つ。01年に米国に移住し、石井と同じく元柔道選手。現在はUFCミドル級王座に次期挑戦者候補となるチェール・ソネンと同じチーム・クエストが所属だ。07年2月にノゲイラ弟、08年には中村和裕を下すなどライトヘビー級の実力者を倒した。また昨年3月には、ポーランドの団体KSWライトヘビー級王座を獲得。経験豊富な難敵との激突に向け、石井は「精いっぱいやるだけです」と静かに燃えた。

 石井は昨年、2試合しか経験できなかったこともあり「今年は3、4試合、コンスタントにやりたい」と目標を設定している。AFCでは昨年9月、パウロ・フィリオ戦で主導権を握りながらもドロー判定となった。「次の試合に勝つまでは負けたモヤモヤは続いている。まず勝ち星を挙げていきたい」とヒョードル戦敗戦の悔しさをソクジュ戦にぶつける覚悟を示した。