<新日本:東京ドーム大会>◇4日◇東京ドーム

 IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(26)が、昨夏のG1クライマックス覇者・内藤哲也(31)との頂上対決を制し、7度目の防衛に成功した。息詰まる攻防から必殺のレインメーカー(短距離式ラリアット)でとどめを刺し、30分58秒、片エビ固めで勝利した。絶対的な力を誇示する王者が、14年の初戦をど派手に飾った。

 勝利したオカダは険しい表情のまま足早にリングを下りた。リング上でのマイクアピールも、喜びのコメントもない。「今のがIWGPヘビー級の試合だ。今のがIWGPヘビー級チャンピオンの実力だ。なめんじゃねえぞ!」。語気を荒らげて控室に消えた姿は、これまでの防衛戦で見せてきたクールなオカダとは明らかに違っていた。

 何度も雄たけびを上げながら技を繰り出し、「こいおら!」と内藤を挑発した。詰めかけた3万5000人のファンに「俺が王者だ」と誇示するかのように感情むき出しに、本能全開で戦った。打ち下ろすような高さのドロップキックを後頭部に突き刺すと、墓石式脳天くい打ちを連発。思いを込めた必殺のレインメーカーを振り抜き、30分超の激闘に終止符を打った。

 屈辱に耐えてのセミファイナル登場だった。昨年12月9日、プロレス大賞で2年連続のMVPを受賞。過去に猪木、鶴田、天龍の3人しかいない連続受賞の偉業も、オカダに笑みはなかった。吉報が届く直前、東京ドームの「大トリ」が中邑-棚橋戦に決まったと知った。会社が実施した試合順を決めるファン投票に「勝てる」と疑っていなかったが、2倍近い票差の大敗に唇をかんだ。

 4月の2度目の王座獲得から「東京ドームで全選手の中で最後に入場する」という強い思いで、過酷な防衛ロードを突き進んできた。「レインメーカー」(カネの雨を降らせる男)としてすべてのビッグマッチでメーンイベンターを務め、団体を引っ張ってきた自負もあった。それだけに「米国から戻って初めて悔しいと感じた」と漏らすほど、王者の誇りは傷つけられた。内藤を倒すだけでなく、メーンの中邑-棚橋戦を上回る内容で、IWGPヘビー級王座の“定位置”を示すと心に誓っていた。

 14年の幕開けとなる試合を制し、王者としての道は続いていく。「今年もすべての会場でチャンピオンとしてカネの雨を降らせてやるからな。覚えておけ」。怒りのオカダは、その強さと存在感をあらためて証明した。【奥山将志】

 ◆オカダ・カズチカ

 1987年(昭62)11月8日、愛知県安城市生まれ。03年4月闘龍門に入門。04年8月にメキシコ・アレナコリセオでのネグロ・ナバーロ戦でデビュー。07年7月新日本入門。同年8月26日内藤哲也戦で新日本プレデビュー、08年4月12日石狩太一戦でデビュー。得意技はレインメーカー、墓石式脳天くい打ち、ドロップキック。191センチ、107キロ。血液型A。