ボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダリストで、WBC同級13位の村田諒太(28=三迫)が、WBA同級スーパー王者ゲンナジー・ゴロフキン(32=カザフスタン)の合宿に参加することになった。8日、合宿地の米ロサンゼルスへの出発を前に、都内で自ら明かした。激戦のミドル級で「最強」と称される王者とスパーリングを行う可能性もあり、生きた教材から刺激を得る構えだ。

 キャンプ参加を前に、村田の顔からは高揚感がにじみ出た。6月に発表されたWBCのランキングで、初めて世界戦が可能な15位以内に入った。「今までと同じくらいの相手に勝てるのはもう分かった。上を目指すには上の相手とやらなければいけない。自分は上を目指さなければいけない人間。最高のタイミングです」と言葉に力を込めた。

 今回の約10日間の渡米の目的は、試合前の強化合宿ではなく、世界を知ることだ。26日に試合を控えるゴロフキンが最終調整を続けるロサンゼルス郊外のキャンプ地に合流。現役王者と時間を共有することで、世界との距離を確認する。村田の育成をサポートする帝拳ジムの本田明彦会長は「世界とどのくらい近いか、どのくらい違うかを肌で感じられる機会」と説明した。

 世界王者と五輪王者の豪華スパーリングが行われる可能性もある。王者サイドの意向により流動的だが、同会長は「機会があればやりたいという希望は出している」と話した。村田自身も「スパーをやることになったとしても、自分が成長できればいい。自信を付けるかもしれないし、失うかもしれないが、すべてが楽しみ」と意気込んだ。

 プロ5戦目となる次戦は9月ごろを予定。「世界のトップで戦っている選手がどんな練習をしているのか。新しいものに触れて知識を広げたい」。8月でプロ転向から1年。世界を肌で感じ、次のステージに臨む。【奥山将志】

 ◆「最強」ゴロフキンとは

 1982年4月8日、カザフスタン・カラガンダ州生まれ。アマチュア時代は03年の世界選手権で優勝し、04年のアテネ五輪ではミドル級で銀メダルを獲得した。06年5月にプロ転向すると、10年8月にWBA世界ミドル級暫定王座決定戦に勝利し、デビュー以来19連勝で世界王座獲得。14年2月の10度目まで、KOでの防衛を重ねた。同年6月にスーパー王者に認定された。身長178センチ、強打の右構え。戦績は29勝(26KO)無敗。

 ◆スーパー王座

 WBAが01年1月に創設。当初は他団体(WBC、WBO、IBF)の王座を同時に保持する正規王者をスーパー王者に昇格させ、新たな正規王者を決定戦で誕生させた。その後、王座を5~10回連続で防衛した正規王者を認定する規約もつくった。