<プロボクシング:ノンタイトル10回戦>◇4日◇さいたまスーパーアリーナ

 WBA世界フライ級1位亀田興毅(22=亀田)が、圧勝で2階級制覇への準備を整えた。WBC同級20位ドローレス・ビダル(31=メキシコ)から2回に3度のダウンを奪って2分9秒KO勝ちを収め、約2年遠ざかる世界戦に向けて、約1年ぶりの国内戦で弾みをつけた。戦績は20勝(13KO)。

 興毅がWBC20位の世界ランカーに格の違いを見せつけた。力なくレフェリーに抱えられるビダルに脇目もふらず、コーナーによじ登ってガッツポーズ。マイクを握って「男やからウソはつきません。絶対にフライ級のベルトを取るんで応援よろしくお願いします」。2階級制覇への強い思いをファンに伝えた。

 WBA世界フライ級王者デンカオセーン(タイ)への挑戦を視野に入れ、「世界前哨戦」と位置付けた今年初戦。2回、左ストレートから左右フックの連打を浴びせ、ビダルをコーナーにくぎ付けにして最初のダウンを奪った。「最近の試合は様子見が多い。昔を思い出して、前半からラッシュで上げていく」。前日、予告した通りの猛攻で2度目のダウンを奪い、最後は小刻みなフックを連発して一気に仕留めた。

 約1年ぶりの国内リングだった。控室に戻ると「いいパンチが入ったらまとめるのが今日の課題。がむしゃらさは出せたけど、まとめ方がもうひとつ。納得はしていない」と冷静に振り返った。

 前回の世界戦からすでに約2年3カ月が経過しているだけに「これ以上待ったら賞味期限が切れる。今年は絶対にしたい。決まったら絶対に取る」。メキシコの高地を拠点にした長期合宿を計画するなど近い将来の世界再挑戦に向け、準備はぬかりない。