バレロが23連続KO勝利/ボクシング※画像クリックで拡大表示<プロボクシング:WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦>◇15日(日本時間16日)◇メキシコ・カンクン闘牛場

 【カンクン(メキシコ)15日=田口潤】WBA世界スーパーフェザー級王者エドウィン・バレロ(26=帝拳)がデビューから23連続KO勝利で、ボクシング王国の米国への再進出に前進した。米大陸王者サイド・サバレタ(メキシコ)を3回1分18秒TKOで下し、3度目の防衛に成功。来夏にも元2階級王者パッキャオ対WBC同級王者マルケスの勝者とのビッグマッチを目指す。戦績は23勝(23KO)。

 ライオンが獲物を追い詰めるよう激しく攻め立てた。バレロは1回に右フックでダウンを奪った。その後、ガードを固めて突進する相手に冷静に対処。最後は3回1分18秒、連打からの右フックで相手をぐらつかせると、レフェリーが止めに入った。

 先輩の意地だった。「リナレスのKOに刺激を受けた」。母国ベネズエラの後輩とは日本、合宿先の米国ロサンゼルス、メキシコで一緒に練習を続けてきた。「全米進出」の同じ目標を持った者同士。初の同時世界戦で自分だけKOを逃すわけにはいかなかった。

 2人は昨秋から一緒に帝拳ジムで練習をしてきた。だが当初は世界王者のプライドから見下し、会話もなく、視線を合わせることもなかった。しかし、リナレスが今年7月に世界王者になると、がらりと変わった。

 同じ立場に並ばれたことで、不思議と気持ちは楽になった。自分にないテクニックを持つ後輩の実力を認め、世界戦前には教えを請う場面も。「同じ夢に向けて協力できる関係になった」。最強世界王者コンビが真のタッグを組んだことが、同時KO勝利につながった。

 この日の試合は全米約6000万世帯にPPV中継された。過去に頭部の手術を受けたため、はく奪された米国のライセンス再取得のめども立ちつつある。帝拳ジムの本田会長も、来年3月のパッキャオ-マルケス戦の勝者との対戦実現に動くことを明言。バレロは「今日の試合をテレビで見れば、また見たいと思うはず。『全米進出』への第1歩」と手応えをつかんだ。[2007年12月17日8時38分

 紙面から]関連情報バトルの日刊!携帯サイト「ニッカン★バトル」だけの特別企画も満載!内藤大助特集はこちら元ロッテ4番のK-1ファイター立川隆史が緊急参戦!興毅&大毅・亀田特集