横綱白鵬(30=宮城野)の連勝が「36」で止まった。2敗で追う新関脇照ノ富士(23)に、寄り切りで敗れた。今場所初黒星で、王手をかけていた34度目優勝は残り2日間に持ち越し。優勝争いでも1差に迫られた。今日14日目は、大関稀勢の里(28)戦。取り直しとなった先場所の取組を巡って審判部を批判し、騒動を巻き起こした白鵬にとっては因縁の対決となる。

 最後は全身の力が抜けたように、スーッと土俵を割った。白鵬が、負けた。昨年九州7日目からの連勝は歴代6位の「36」で止まった。境川審判委員(元小結両国)に抱きつくように土俵下へと落ちた最強横綱は、ぼうぜんと口を開き、丸い目は点になっていた。

 場所前の番付発表会見で“要注意人物”に挙げていた。気になる力士を問われ「やっぱり、照ノ富士だね。先場所も苦しみながら勝ち越したから。それなりの存在じゃないですかね、上位では」と警戒していた。

 予想通り、V争いに加わった23歳との決戦。先に左上手を取られ、半身になった。下手投げで反撃したが劣勢は変わらず。上手を引きつけられ、寄り切られた。防戦一方を伊勢ケ浜審判長(元横綱旭富士)も「受け身だったね」と指摘した。

 73年秋、九州場所の輪島以来42年ぶりの「2場所連続13日目V」を逃し、優勝争いも風雲急を告げてきた。照ノ富士に1差に迫られ、日馬富士ら3敗力士もチャンスが出てきた。だが、北の湖理事長(元横綱)は「優勝は白鵬が8割」と、優位は変わらないと見る。

 白鵬は、この日も支度部屋では報道陣に背を向けて無言を貫いた。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は「話すより、相撲で勝つことが一番と思ってるんだろう」と、弟子の心中を読む。今日14日目は稀勢の里戦。取り直しとなった初場所の取組を巡って審判部を批判し、舌禍騒動を起こした横綱にとって、心が揺れてもおかしくない相手。34度目優勝へ、因縁の再戦を迎える。【木村有三】