大相撲の冬巡業が8日、鹿児島・霧島市で開かれ、同市で09年から観光などをPRする「おじゃんせ霧島大使」を務める横綱白鵬(30=宮城野)が念願の初対面を果たした。
子どもの稽古の後、土俵に上がったのは同市在住で小学3年生の水流添(つるぞえ)日向(ひなた)くん(8)。原因不明の難病「拘束型心筋症」を患い、白鵬らの協力で昨年7月に米国で心臓移植手術を受けた。普段は着用しなければならないマスクを外し、命の恩人とも言える横綱へ、感謝の手紙を読み上げた。
「白ほうさんへ ぼくをおうえんしてくれてありがとうございました。アメリカでのしゅじゅつは、本当にこわかったです。みんながおうえんしてくれていると思いだすとがんばろう!! と思いました。白ほうさんに、ぼくはずっと会いたかったです。強くて心やさしいところが大すきです。すもう、がんばってください 水流添日向」(原文まま)
素直な気持ちのつづられた手紙を受け取った白鵬は、握手し、ほほにキスした。「日向君に会って、涙が出そうでしたね、正直。元気な姿を見てホッとした。目つき、顔つきを見て安心しました」。支度部屋では手紙を見返しながら、感慨深げに話した。
2年前に日向君の家族に出会った。渡米から手術までの費用は1億4500万円もかかると知り「つるぞえひなたくんを救う会」の募金活動に協力した。昨年の白鵬杯でも呼び掛けた効果もあり、4カ月で目標額に到達。昨年7月に手術を終え、順調に回復した水流添君の姿に「一番、最初の応援団長というかな…。本当に皆さん、ありがとうございました」と感謝した。
水流添君は将来「かあちゃんに頼られるような人になりたい」との夢を語った。その言葉を聞いた白鵬は「私も3児のパパ。(経験を)バネにして、世界で大きく活躍できる大人になってほしい。その中で大相撲も忘れないでくれればいいかな」。その表情は、優しい父親の顔になっていた。

