大関に復帰した霧島(音羽山)が家族とファンの前で本場所での活躍を誓った。10日に初日を迎える大相撲夏場所(東京・両国国技館)を控えた9日、会場の両国国技館で優勝額贈呈式が行われた。場所前の稽古で手応えをつかみ、3月の春場所で復活を印象づけた30歳が、夏場所でも主役の座を狙う。

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感慨深そうに見つめた。3月の春場所で14場所ぶりの優勝を果たし、贈呈式は3度目。縦3・17メートル×横2・265メートル、重さ約60キロの自身の優勝額に霧島は「懐かしい。久しぶりで良かった」と、口にした。式後は長女のアヤゴーちゃんら家族と記念写真に納まり「写真は残るので。撮りたいと思った」と笑顔。復活優勝の喜びを改めてかみ締めた。

場所前は積極的に出稽古に出向き、様々な相手と稽古を重ねた。1日の横審による稽古総見では横綱豊昇龍と申し合いで6勝3敗。5日に行われた時津風一門の連合稽古でも大栄翔、藤ノ川ら幕内力士を相手に計17番で15勝2敗。力強い相撲で圧倒し、見守っていた師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)も手応えを感じていた。「一日一日しっかり稽古できたと思う」と胸を張った言葉通り、仕上がりは上々だ。

アクシデントもあった。6日の出稽古では相手の頭が右耳に当たり、負傷して病院で治療を受けた。それでも「ちょっと傷があったけど、思っていたよりひどくはなかった。触ったら痛いけど、もう大丈夫。問題ない」ときっぱり。不安を一蹴する口ぶりに、今場所へ懸ける覚悟がにじんだ。

12場所ぶりに大関の地位で迎える本場所。横綱大の里、大関安青錦が休場となる中、土俵を引っ張る看板力士としての期待はさらに高まる。狙うは2場所連続優勝。初日は関脇経験者の隆の勝、2日目は義ノ富士との取組が組まれた。「今日はしっかり休んで、明日から精いっぱい力を出して頑張りたい」。復活を印象づけた春に続き、夏も主役の座は譲らない。霧島が再び賜杯(しはい)へ向け力強く踏み出す。【山田遼太郎】