かど番の大関琴奨菊(32=佐渡ケ嶽)が、意地の白星を挙げた。史上最多を更新する62度目の対戦となった大関稀勢の里(30=田子ノ浦)を、得意のがぶり寄りで寄り切った。

 4日目から5連敗で大関陥落の危機を迎えていたが、会心の相撲で踏ん張った。直後に白鵬、鶴竜の両横綱も敗れたため「波乱が起きる日だったんですよ」と謙遜しつつ「いい相撲ができて良かった」とひと息ついた。

 立ち合いで珍しく左のど輪で攻め、相手をかく乱。その動きについて「自分の考えがことごとく外れていたから。若い衆に聞いて、当たって行こうと思った」と説明。左四つの体勢から、右を巻き替えて前に出たことには「よく我慢できたかな」と振り返った。

 ようやく悪い流れを止めての3勝目に「あんないい相撲を取れるのに(5連敗は)何でだろうね」と首をひねった。かど番脱出には、残り6日間で5勝が必要と厳しい状況は変わらないが「一生懸命、頑張るだけです」と話した。