[ 2014年6月25日9時28分 ]えびす橋から飛び込もうとする男性=大阪市中央区(撮影・村上久美子)

 サッカーW杯で日本代表のグループ・リーグ敗退が決まった25日朝、試合終了の直前から、大阪・道頓堀の戎橋には、代表ユニホームを着た若者が集まり始め、終了1時間余が過ぎた午前8時すぎの段階で、14人が飛び込んだ。

 同橋は、1985年(昭60)に阪神タイガースが21年ぶりに優勝した際、若者が真下の道頓堀川へ飛び込んで以来、若者の“道頓堀ダイブ”が相次いでいる。この日も、近くのスポーツバーや、パブリック・ビューイングで試合を観戦していたファンが、敗色濃厚になった試合後半から、道頓堀へ集まってきた。

 当初は日本代表のユニホームを着た若い男女が、グリコの大型ビジョン前で記念撮影するなどしていたが、午前7時17分ごろ、大阪市内の大学に通う男性(20)が、下着にTシャツ1枚の姿になり橋の上へ上り、Tシャツを脱ぎ捨てダイブ。地元警察署員数十人が警戒に当たっており「危ない!」と制止するのを振り切って飛び込んだ。

 同学生は東大阪から来たといい、前日夜から近くのスポーツバーで観戦。「誰も飛び込まないので、勇気はいった。でも、雰囲気的に『飛び込みもありかな』と思って行った。負けたけど、すがすがしいです。大阪人たるもの、1回は飛び込まないと!」と話すと、持参したタオルでヘドロにまみれた体をふいた。

 続いて男子大学生の友人が飛び込み、その後、1時間余りが過ぎた午前8時すぎまでに男性14人がダイブ。中には、サングラスを着けたままの者や、シャツを着た者、代表ユニホーム姿の男性もいた。

 警戒していた地元署員によると、試合途中から警備に入ったという。飛び込みそうな態勢で、橋の上に人が上がるたびに拡声器で「危ない」「やめなさい」と制止していた。

 また、近くには日本に勝利したコロンビアの代表ユニホームを着たファンの姿も。4月から日本に留学しているというラミレスさん(27)が、付近のスポーツバーでの観戦帰りといい「日本も一緒に次のステップへ行きたかった。コロンビアの優勝はとても難しいと思うが、私はそう望んでいる」と話していた。