日本国内の優れた鉄道旅行を審査する「鉄旅オブザイヤー2013」の発表、授賞式が29日、さいたま市の鉄道博物館で行われた。日本旅行西日本営業本部が昨秋実施した「北陸本線100周年記念号の旅」がグランプリに輝いた。

 昨年100周年を迎えた北陸本線をテーマに、長く地域に根差した475系を使用。国鉄カラーに塗り直し、6両編成で往年の名門急行列車を再現した。敦賀~糸魚川間の主要駅に30分以上停車し、その土地のおもてなしを堪能するアットホームな趣向が評価された。

 今庄での駅弁配布のほか、芦原温泉では芸者さんたちがホームでお出迎え。車内では、元国鉄マン(富山車掌区)で知られる歌手伊藤敏博さんがミニライブを行い「サヨナラ模様」などを歌った。審査委員からは「鉄道旅行の豪華フルコース」「企画と実現力がすごい」などの声が寄せられた。

 鉄道ファンとして審査委員長を務めた俳優関口知宏は「鉄旅は『癒やし』から『かかわり』に変化している。お客さんのニーズが変化する中でツアーを組むのは大変だが、これからもプロのワザですてきな鉄旅を作ってほしい」と話した。