第153回芥川賞・直木賞の贈呈式が21日、都内のホテルで1300人を集めて行われ、「火花」の作者でお笑いコンビ、ピースの又吉直樹(35)に芥川賞が贈られた「火花」は今年1月発売の文芸誌「文学界」2月号に掲載、3月に単行本として発売され、累計発行部数は239万部。止まらぬフィーバーに又吉は「増刷になってビックリ。お笑いライブで1万人、2万人集めることは出来ない。普段小説を読まない人で、読みたいと思ってくれた人が、そんだけいたんだと、うれしかったです」と感謝を口にした。

 同じく芥川賞の羽田圭介氏(29)直木賞の東山彰良氏(46)も登壇。羽田氏は、受賞を待っているときに、カラオケでデーモン閣下の白塗りメークをしていたことを振り返りつつ、自身の信念を明かした。

 「奇人みたいに取り上げられて恥をかくことも多い。電話インタビューで、自分の言葉を8割方変えられて、いたことがあった。恥を減らす方向で編集されていたんですが、自分の言葉を曲げられたことに怒りを感じた。武器を取り上げられるに等しい。芥川賞を受賞して、いろんな表現を試す機会も多い。これからもうその言葉だからこそ表現できることを、表現していこうと思う」

 東山氏は「今まで自分の本を出してくれた編集者と、出したいと言ってくれた編集者にお礼を言いたい。デビューして12年、商業的に売れる作家ではなかった。ただリレーのように彼ら(編集者)が受け継いでくれて、今日、この場に立っていられる。もし、誰かが見限っていたら、ここにはいない」と話した。