米歌手ビヨンセ(34)が28日、ニューヨークで開催された音楽専門局MTV主催のビデオ・ミュージック・アワード(VMA)の授賞式に、警察官に殺害された無実の4人の黒人少年の母親たちを招待した。

 シルバーのロングドレスに天使の翼を思わせる水色の羽根飾りをまとったビヨンセは、サプライズゲストとして4人の少年の母親たちを伴いレッドカーペットに登場し、無言で人権問題への抗議を行った。

 4人の少年たちは共に武器を持っていなかったにも関わらず警察に殺害された被害者で、「黒人の命も大切だ」というスローガンでの抗議運動が全米に広がるきっかけとなった。ビヨンセはこの抗議運動を支持しており、このうち3人の母親はビヨンセの最新アルバム「レモネード」のミュージックビデオにも出演している。

 ビヨンセは今年2月に行われたナショナル・フットボール・リーグ(NFL)王者を決めるスーパーボウルのハーフタイムショーでも、人種差別をテーマにしたパフォーマンスを行い、議論が巻き起こったこともある。

 夫のラッパー、ジェイ・Z(34)との間の娘ブルー・アイビーちゃん(4)も連れて授賞式に出席したビヨンセは、愛娘の前で「レモネード」からの曲をメドレーで歌う15分のパフォーマンスを披露。最優秀ビデオ賞、最優秀女性アーティスト・ビデオ賞を受賞するなど最多8部門に輝いた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)