フリーアナウンサー古舘伊知郎(61)がレギュラー出演するフジテレビ系新番組「フルタチさん」(日曜午後7時)が来月6日にスタートする。12年間キャスターを務めたテレビ朝日系「報道ステーション」を3月末に降板してから約7カ月。番組にかける意気込みと報道キャスターから解き放たれた今だから言える叫びを聞いた。

 「フルタチさん」の放送時間帯は各局の人気番組がひしめく激戦区だ。午後7時から2時間の放送だが、NHKはニュースと大河ドラマ、日本テレビは「鉄腕DASH」「イってQ!」の高視聴率番組が続き、テレビ朝日は新番組「日曜もアメトーーク」で、TBSは「クイズ☆スター名鑑」、テレビ東京は「モヤモヤさまぁ~ず2」。

 「いや~完全に思考停止です。でも、考えてもしょうがない。怖くないと面白くない。一寸先は、お化け屋敷。理屈で考えると無謀だけど、いい番組ができることを念じるのみです」

 テレビ朝日の局アナ時代にプロレスの実況中継で人気を得て、29歳の時に独立した。フリー転向後の初レギュラーがフジテレビ系「笑っていいとも!」のコーナー担当だった。

 「初めて使ってくれたのがフジテレビ。その後も『夜のヒットスタジオ』『F1実況』と世話になった。今度、そこからレギュラーいただけると聞いて飛びついた。若干の後悔はありますが(笑い)。激戦区ですが、少しでも数字(視聴率)を上げれば大躍進。開き直ったような怖いような」

 テレビ朝日系「報道ステーション」時代はキャスターとして「抑制」を求められた。今回は、過激な古舘節の復活を期待するファンも多い。

 「1つ決めているのは、あまり調子に乗らないこと。テレ朝に残っていたら、定年を迎えている年齢。他人だったら、いいかげんにしろ、このオヤジ!と思いますよ」

 ではどのような「古舘伊知郎」を見せようとしているのか。「お手本」として意外な名前を口にした。小池百合子都知事(64)だ。

 「(最初は)低いところから出て、数字をアップさせる。しゃべりの中に、ちょっと分かりにくい単語を嫌みスレスレに入れる、あの引きつけ方を学びたい。適度であること。そして『1人皇室アルバム』とでもいうような笑み。劇場型の敵を作って揺さぶりながら人と融合していくんです」

 「フルタチさん」の番組テーマは「引っかかる」。今は小池都知事に引っ掛かっている。「『小池百合子さん研究』をやりたい。豊洲や東京五輪の問題ではなく、ニュースの裏筋をなめるようにね」

 とはいえ、おはこの「実況」を求められれば、断る理由はない。

 「東京五輪の開会式の実況もやりたい。もうせりふも決めちゃってるんです。夢想ですけどね」【小谷野俊哉】

 ◆「フルタチさん」 番組名は放送時間帯がアニメ「サザエさん」の後ということに由来。古舘が世の中の「引っかかること」を調べて伝え、さまざまなことに挑戦するバラエティー。アシスタントは山崎夕貴アナウンサー(29)。古舘が司会を務める同局新番組「トーキングフルーツ」(11月8日スタート、火曜深夜0時25分)とも連動する。