演歌歌手松前ひろ子(66)が20日、東京・港区の「ライブレストラン青山」で新曲「月の帯」の発表会を行った。

 94年に発売したアルバム収録曲をセルフカバー。通算36作目のシングルとして、新しい息吹を与えた。

 「ずっとシングルで出したかった曲。今回は夢がかないました」。

 「いけるな」。10代のころ、いとこの北島三郎(80)の、このひと言で歌手を志した。親の反対を押し切り、置き手紙だけを残して北海道を後にしたのが18歳の時。北島の内弟子修行をへて、69年に「さいはての恋」で念願の歌手デビューをした。

 ところが、2年後に交通事故で歌手生命を絶たれた。必死のリハビリを続け、8年後に再デビューにこぎ着けた苦労人だ。

 「継続は力なり」を座右の銘として歌い続け、今年で歌手生活48年目を迎えた。「あと2年で50周年。昔は苦しい涙ばかりだったけど、今はうれし涙を流すことができます」。

 「うれし涙」の1つが、愛弟子で義理の息子でもある三山ひろしの活躍だ。紅白歌合戦に2年連続で出場するなど、日本を代表する歌手に成長した。喜びながら「私も頑張ろうという意欲がわいてくる」と闘志を燃やしている。

 芸能事務所の社長、歌手、そして三山のプロデューサーと多忙な毎日だが「50周年まであと2年。もう少し頑張ります」と闘志満々に語った。