父修造は公式サイト「修造コラム」にコメントを掲載した。修造の母で恵さんの祖母も男役スターで活躍していた千波静(ちなみ・しずか)で「僕自身、宝塚歌劇団を小さい頃から観劇していました」「たくさんの人に元気と幸せを与えてくれる場所」などと宝塚への思いをつづった。さらに自分にとって曽祖父にあたる小林一三さんにも触れ「娘には小林一三さんのお言葉『清く、正しく、美しく、朗らかに』を心に、日々まい進してほしい」と記した。そして「一番の願いは健康に」「僕のように周りの人たちに迷惑をかけないで、感謝の思いを大切に自分の道を歩んでほしい」と娘へ熱いエールを送った。

 音楽学校受験は94年に過去最高48・2倍の競争率を記録したが当時の首席が蘭寿だった。蘭寿は昨年、修造のいとこと結婚、同じ小林一族になった縁もある。

 音楽学校在籍2年で、洋舞、日舞、和楽器演奏、ピアノ声楽、演劇などを学ぶ。夜は個人レッスンで技術を磨き、厳しい礼儀作法も習う。卒業後は105期生としての入団を目指す。

 高祖父は阪急東宝グループ創業者、祖母は宝塚OG、さらに親戚も同グループ要職にある者が多い。劇団では、将来有望な若手を「御曹司」と呼ぶが、漂うオーラに将来性を感じさせる恵さんはまさに「御曹司スター」の卵といえそうだ。来月18日に入学式を迎え、厳しいトレーニングがスタートする。【村上久美子】

 ◆宝塚歌劇団 小林一三さんが温泉場の集客のため1913年(大2)に宝塚唱歌隊を結成。6年後に宝塚音楽歌劇学校を設立、その生徒と卒業生で組織する宝塚少女歌劇団が劇場公演を開始。1940年(昭15)に宝塚歌劇団に改称。「花」「月」「雪」「星」「宙(そら)」の5組といずれの組にも属さない専科に分かれる。舞台出演するのは宝塚音楽学校卒業生で全員が未婚女性。団員はタカラジェンヌと呼ばれる。男性の役を男役、女性の役を娘役という。各組の頂点に立つ男役が「トップスター」、その相手役を務める娘役を「トップ娘役」と呼ぶ。