香港映画界のレジェンド俳優サモ・ハン(65)が、映画のプロモーションとしては11年ぶりに来日した。サモ・ハンは4日、ニッカンスポーツコムの取材に応じ「年は取ったけど元気だよ。健康であれば、仕事が出来る。長生きして仕事がしたい」と豪語。ともに一時代を築いたジャッキー・チェン(62)との共演にも意欲を見せた。

 1978年(昭53)年の「燃えよデブゴン」(日本公開は81年)などで、日本でも知られるサモ・ハンは、監督兼主演の新作映画「おじいちゃんはデブゴン」(5月27日公開)を携えて日本にやってきた。劇中では、認知症気味の元退役軍人を演じる。中国マフィアとロシアマフィアの抗争に巻き込まれた隣家の父娘を救うため、長年鍛え抜いた必殺拳の封印を解き、悪を打倒する役どころだ。

 監督作としては、97年「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」以来20年ぶり、監督兼主演としては金城武も出演した95年の「死角都市香港」以来、22年ぶりの作品となった。2000年代後半以降、何度か健康不安説も流れたが、「おじいちゃんはデブゴン」では華麗なパンチはもちろん、巨体を生かした腕折りやボディアタックなど、往年のカンフーアクションを披露している。

 サモ・ハンは近況について「仕事がない時は、ゆっくりしていて、映画を見たり…。『おじいちゃんはデブゴン』で演じたディンと、似たような日常を送っているよ」と、笑みをたたえながら語った。年齢を重ね、語り口こそ穏やかになったが、こと映画とアクションの話になると言葉に熱がこもった。「いつもアクションのことを考えているからね。今回のアクションも、特別、トレーニングを積んだことはないんだ」と、アクションに衰えがないことを強調し、胸を張った。

 今作では、1983年の「プロジェクトA」(日本公開は84年)などで共演した、ユン・ピョウ(59)との共演が実現した。同作に主演し、ともに一時代を築いたジャッキー・チェンは、今年の米アカデミー賞でアカデミー名誉賞を受賞した。2人との共演の可能性について聞かれると「2人との関係は変わっていないよ。相変わらず、自分の弟分だからね。もちろん、自分もやりたいよ。チャンスがあれば、やりたいですよ」と言い、満面の笑みを浮かべた。【村上幸将】