第24回日刊スポーツドラマグランプリの年間投票がこのほど行われ、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」主演の長谷川博己(44)が主演男優賞に輝いた。長谷川が日刊スポーツにコメントを寄せ、受賞の喜びを語った。
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―主演男優賞を受賞して
今までスポーツ紙の賞を取ることができなかったのですごくうれしいです。明智光秀という人物のイメージを多少なりとも刷新したことを、お認めいただけたということだと思いたいです。ありがとうございました。
―「麒麟-」の魅力は
戦国時代のドラマチックな出来事を明智光秀の目を通して描き、今までの反逆者、裏切り者とは違う明智像を作った事がこのドラマの面白さだと思いました。また、池端(俊策)先生の古典的で重厚でありながら群像劇として現代的な普遍性をも取り入れた脚本も魅力的であったと思います。
―コロナ禍での放送休止、最終回の越年など異例ずくめの大河だった
いろいろなことがありましたが、それもすべて明智十兵衛光秀を演じる上で、役柄に生かされたと思っています。そのようなさまざまな逆境が光秀に反映されたと言っても過言ではありません。
―大河主演の経験で得たことは
1年を通して役を深められる体験はかけがえのない貴重なものでした。その最中は心折れそうになることもありましたが、それを乗り越える上での悩み、対処していく能力や、その時湧き上がったさまざまな感情や思考は、将来また来るであろういろいろな試練にきっと役立つものになるだろうと思っております。あのような状況下で体験できたことは、知らぬ間に自分の臨機応変さが鍛えられたのではないでしょうか。そういう意味でも今後はもっといろいろな役柄を気楽に楽しんで演じていけたらいいなあと思います。
―「麒麟-」はどんな作品になったか
やはり1つの到達地点であり、ここからがスタート地点だなという気がします。光秀が美しい夕日に向かって馬を走らせて行くラストの姿のように、新たな世に向かう、という作品になったと思います。(はじめあの雲が麒麟になり光秀が麒麟を呼んだ、というイメージで終わる予定だったみたいですが、実際は違いました)
―視聴者にメッセージを
最後まで応援していただいた視聴者の皆様に救われました。そしてあのラストを喜んでいただいた方々が多かったというのが明智光秀を演じた自分にとって一番の喜びでした。本当にありがとうございました!
◆長谷川博己(はせがわ・ひろき)1977年(昭52)3月7日、東京都生まれ。01年に文学座付属の演劇研究所に入所。10年NHK「セカンドバージン」で脚光を浴び、11年テレビ東京系「鈴木先生」でドラマ単独初主演。13年大河「八重の桜」、18年朝ドラ「まんぷく」に出演。映画は16年「シン・ゴジラ」など。
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本来なら受賞者のみなさんにインタビューを行い表彰を行う予定でしたが、新型コロナウイルスが感染拡大する状況を鑑み、今年も昨年に続き、各受賞者にはコメントをいただくことで表彰式にかえさせていただきました。
「麒麟」染谷将太「感無量、2人並べてうれしい」/ドラマGP助演男優賞
「天国と地獄」綾瀬はるか「悩むことも多かった」/ドラマGP主演女優賞