上方落語の大名跡「桂文枝」の6代目を、来年7月に襲名する落語家でタレントの桂三枝(68)が16日、都内で記者会見し「胸を張って、新しい『平成の文枝』をつくろうと思っています」と抱負を述べ、これまで通り創作落語に力を入れる考えを表明した。

 三枝は弟弟子の桂きん枝(60)桂文珍(62)らと登場。名跡の大きさと、三枝という名前への愛着から悩みに悩んだが「いつまでもほっておけない。襲名の時は69歳。これがギリギリかな」と、2005年に死去した師匠も名乗っていた文枝を継ぐ決断をしたという。

 途中で相談したのは落語家の立川談志(75)。「せっかく三枝を大きくしたのだから、続けるべきだ」とアドバイスを受けたが、その後、襲名を決めたと伝えると、ファクスで「文枝のほうがよくなったのか

 ぢゃあ

 仕方がない

 勝手にしろ」などと談志流の“激励”を受けたという。

 また三枝は「新婚さんいらっしゃい!」などの番組出演について「文枝になると、いすからこけにくいな」と漏らし、笑わせた。タレントや落語作家としての活動では、三枝の名前を使い続けることも検討中だ。

 文珍は「この方はすごい。平成の古典として残りそうな話を生み出している」と兄弟子をたたえた。

 東京での襲名会見後、三枝はすぐに空路帰阪し、夜には大阪市都島区の京橋花月で、独演会「桂三枝の笑宇宙」を開いた。地元・大阪のファンを前に「いろいろ事情があって、というか、考えまして、本当に悩みに悩みましたが(襲名を)決心しました」と、あいさつした。文枝という名跡については「桂の源流のような名前で、初代から直系弟子が継いでいきました。それやのに、ここで絶えたら、代々の師匠に申し訳ない」と話した。

 独演会では、自作の「合格祈願」「親父の演歌」を披露。ゲストのハイヒールとのトークも展開した。