地上波テレビは、東日本大震災で被災した東北3県を除く44都道府県で24日正午、デジタル放送に完全移行した。60年近く続いたアナログ放送は終了し、テレビの歴史的な節目となる。

 ただ一部では地デジ対応が間に合わず、テレビが見られなくなる「地デジ難民」が発生するのは確実。放送局関係者の中には、10万世帯程度が未対応という見方が出ている。

 アナログ放送は24日正午、画面の背景が青色に切り替わり、番組終了のお知らせとともに問い合わせ先を表示。同日24時までには電波そのものが停止し、「砂嵐」のような画面になる。

 総務省は地デジコールセンターの態勢を強化して、問い合わせの増加に備えた。センターへの電話件数は7月になって以降急増し、移行2日前の22日には約4万7千件、23日も高水準だった。各地の自治体などに設置した臨時窓口でも緊急の相談に応じる。

 地デジ化をめぐっては2001年に改正電波法が成立し、11年までのアナログ停波が決定。地デジ放送は03年に東京、大阪、名古屋の3大都市圏で始まり、06年には全都道府県に広がった。

 岩手、宮城、福島の3県は移行時期を、来年3月末までに延期した。

 東京では24日朝、デジサポ東京中央が東京タワー周辺で最終的な声掛け運動を展開。「アナログ放送がきょう終了します。テレビの新時代が幕開けします」などと街宣車で観光客らにアピールした後、都内各所を走り回った。