元NHKアナウンサーの鈴木健二氏(84)が復活する。20日放送のNHKBSプレミアム「クイズ面白ゼミナールR(リターンズ)」で、最高視聴率42・2%を誇った鈴木氏司会の人気番組の復刻版だ。

 8日夜、収録を終えた鈴木氏は50人余りの取材陣を見回して「ほこりも払わずに呼ばれました。情報番組があふれるこの時代になんでこの番組なのか、何で私なのか。NHKは不思議ですね」と皮肉たっぷりに切り出した。

 番組はテレビ放送60年を機に企画され、徳永圭一アナ(34)がアシストする。以前通りに大学のゼミをイメージしているが、今回、鈴木氏は名誉教授、徳永アナが教授という設定だ。

 以前の放送では鈴木氏の抜群の記憶力と圧倒的な語りが売りものとなった。「あのときは50代の半ばの働き盛りです。今は生きることで精いっぱいです。口は回らないし、その代わり目が回る。目が遠くて、トイレが近い遠近法でもあります。テレビ放送の前からやっているシーラカンスです」という。が、ステッキは手放さないものの、足取りはしっかりしており、舌も滑らかだ。

 「徳永アナの進め方は座談会式、私は講演型でひとりでしゃべっていたようなもの。だから、NHKには手をつなぐ仲間がいなかった。退局後はそれを探していた」。25年の間は地方を巡り、障害者のコンサートや郷土芸能の振興に尽力して「ようやく手をつなぐ仲間が出来ました」。放送は8月17日にも。