美川憲一（６７）の独立で経済的損失を受けたなどとして、前所属事務所エービープロモーションが美川と現在の所属事務所ミカワオフィスを訴えている件で２５日、東京地裁で第１回口頭弁論が行われた。

　この日、被告側は欠席。原告側と裁判官とのやりとりのみが行われた。原告側は、衣装代やステージ出演料、編曲にかかった費用など、独立しなければ前事務所に入るはずだったとする約２億１４４６万円を美川側に請求。裁判官は、楽曲などの知的財産の著作権を証明するため、次回の弁論以降、譜面などを持参するように伝えた。

　報道陣の取材に応じた原告側関係者によると、美川側から１週間前に「請求の棄却を求める」という答弁書が届き、同時に第１回口頭弁論を欠席することも伝えられたという。

　前所属事務所が編曲の手数料などを支払ったとする請求の対象楽曲は６９曲。代表曲「さそり座の女」も含まれるという。同様に、前所属事務所が制作費などを支払ったとする請求の対象になる衣装は１７点で、ＮＨＫ紅白歌合戦で着たものなどがあるという。他にも、美川の愛車のロールスロイスの修理費などもあるという。

　同関係者は「１つの曲に対して何パターンも編曲があり、譜面が膨大な量になってしまうため、今日は持参しませんでした。今後も粛々と進めるだけです」と話した。また「『美川憲一』という名前を使用することに対しての請求ではない」と強調した。

　次回は４月２１日、東京地裁で弁論準備が行われる。