俳優武田鉄矢(65)が7日放送のフジテレビ系「ノンストップ!」で、20年に及ぶうつ状態に陥っていたことを告白した。

 武田が不調を感じたのは、42歳のとき。1991年、ドラマ「101回目のプロポーズ」の主演をはじめ複数のドラマに出演して多忙を極めていた頃だ。「ちょっとうつ病っぽくなっちゃって、なにをやっても力が沸かない」「やたら疲れる」「考え方が暗くなる」と当時の状態を明かす。

 しかし、メンバーや家族に自身のうつ状態について打ち明けることはできなかったという。「自分の不調を女房や子供に知られて、『頑張れ』って言われるとなおつまづくことがあるよね」と振り返った。

 2011年には大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)を患い、心身ともに一層追い詰められていった武田だが、そのなかでひとつの言葉に出会ったそう。

 それは、心理学者C・G・ユングの「人生は山登りに似ている。山へ登った限りは降りなければならない。山に登ったということは、登って降りたということ」という言葉。これまでいわば「山を登り続けよう」と気を張り詰めていた武田にとって、その考えは新鮮なものだった。

 20年に及ぶうつ状態の末に、「飾らずに人生を下る」という境地に辿り着いた武田。「最近やっと自分で『少しいい詩を書くようになったな』と思う。若いときは狙うからさ。やっといい言葉が出るようになった」と明るく語った。