女優栄倉奈々(20)が13日、NHK連続テレビ小説「瞳」のダンスのクライマックスシーンの収録を終えた。ダンサーを目指す瞳を演じながら実はダンスは得意ではなかった。ヒロインに決まってから約1年間、猛特訓を積んで、最も難易度の高いシーンの収録を一発でクリアした。共演するダンス&ボーカルユニットEXILEの真木大輔(MAKIDAI=32)は「ダンサーとしてもいける」と褒めた。

 全国のダンサーが目指す大会「ダンスビート」という設定のシーン。約3分間のダンスを終えた栄倉の息は切れ、両肩は激しく上下した。パーカの袖口で汗をぬぐうと一緒に踊った2人とハイタッチ。「あっという間だな、と思いました。今日のために1年弱ぐらい練習してきたようなものなので、これで終わりかと思うと何かさみしいですね」。感極まったのだろう、声がちょっと震えていた。

 主演したフジテレビ系ドラマ「ダンドリ。~Dance☆Drill~」(06年)や映画「阿波DANCE」(07年)はダンスシーンが多く、ダンスが得意とみられがちだが実はそうではなかった。1608人が応募した昨年の「瞳」のオーディションでは、ヒロイン候補者が8人に絞られた段階で最もダンスが下手だったという。山本敏彦プロデューサー(42)は「あのころからしたら、あり得ないぐらいに上達した。うるうるきた」と涙ぐんだ。

 過密な収録やリハーサルのスケジュールの合間に1回約90分のレッスンを週1~2回受けた。慣れない動きに腰に痛みが出て、1週間ほど収録を休んだこともあったという。そんな栄倉の頑張りはスタッフや共演者に伝わっていた。

 共演の真木は「撮影に入ってすぐのころとは別人。キレや動きは前と比べたら倍以上。EXILEのプロモーションビデオに出てほしい」。その発言を伝え聞いた栄倉は「いやあ~。冗談だと思います。EXILEさんのは踊れないです」と、屈託なく笑った。

 収録されたシーンは8月上旬に放送される。