<第63回NHK紅白歌合戦>◇12月31日◇NHKホール

 出場決定後から下ネタを連発する不穏な動きを見せていたゴールデンボンバーは、NHKへの配慮から、期待された珍パフォーマンスを封印した。

 ゴールデンボンバーがNHKに負けた。初出場決定後から会見などで「おちんちん」などと下ネタ発言で話題をさらってきた。本番で過激発言やパフォーマンスが期待されたが、演出こそ意表を突いたが「らしさ」は出せなかった。

 本番では結局、優等生だった。前々日12月29日のリハーサル後に「でっかいおちんちんを…紅白のために鍛えてきたんで」とまるで「開チン」を予告するかのような発言をしたドラム樽美酒(ダルビッシュ)研二(32)は下ネタを捨てた。真っ白メークが特徴の自分のお面を観衆だけでなく審査員にもあらかじめ配り、会場約2600人と一体化する演出を披露。観客全員を巻き込んだパフォーマンスで驚かせたが、期待に応えたとは言い切れなかった。

 番組終了後、本音を漏らした。ボーカル鬼龍院翔(30)は「バリバリ真面目にやらないといけない雰囲気だったので…。本当は情けないですよ!」と悔しそうに嘆いた。樽美酒は「(関係者に)いろいろ怒られて2度としゃべるなと言われました」と明かした。

 NHKが、かたくなに規制した理由がある。06年にDJ

 OZMAの全裸スーツ姿が物議を醸した。生放送中に100件以上の苦情の電話が殺到し、番組中にアナウンサーが謝罪する異例の事態になった。同じ「過ち」を繰り返さないためにも“規制”するしかなかった。実は樽美酒は、DJ

 OZMAに全裸スーツを借りたいと相談していたが、警戒感を強める同局の意向を感じて自制した。

 出番終了後、同局関係者から「よくやった」と握手を求められた樽美酒。鬼龍院も「僕らはビッグマウスで紅白を盛り上げようとしただけ。本当は真面目なんです。真面目ですみません」と話していたが、本音は違っていたようだ。